株式会社仁の蔵・高橋製菓株式会社

QUALITY

こだわり

味のこだわり

米が違う

佐賀県産「ひよくもち」を主原料とする国産もち米だけを使用しています。

水が違う

製造にあたり軟水器を用いて水道水からカルシウムとマグネシウムを除去し、さらに冷水器で一年中5℃に冷やした水を使用しています。
軟水器とは水道水からミネラル分を取り除き、軟水にする機械です。あられを製造する水を軟水にする理由は、水道水に含まれるミネラル(カルシウム・マグネシウム)は米の表面で水の吸水をいくらか邪魔するので、取り除くのです。
また、ご飯を炊くときに常温より冷水で炊いたほうが美味しいのは、お米が水を吸うときに常温よりゆっくりと吸水するからです。
同じように、冷水を使用して米を洗い、一晩冷水に漬けることで夏場でもしっかりとしたお餅ができるのです。一晩漬けている間も特殊なコイル状のパイプの中を冷水が巡回し、温度が上がるのを防いでいます。

たれが違う

あられが焼きあがった後にかける液体のことを「たれ」といいます。 そのほとんどが醤油なのですが、弊社はまず昆布と小魚を煮てだしを取り、それを醤油と混ぜ、さらに砂糖などを足して炊きこんでできるのが弊社のオリジナル「たれ」です。 製品ごとにブレンド具合が違いおよそ7種類のオリジナルたれが存在します。 また、醤油は長い付き合いの醤油メーカー様から仕入れていますが、「高橋製菓専門醤油」なるものがあります。 弊社が得意とする特殊なかたちやツートーンのあられの色を目立たせるためには色の薄い醤油が必要となります。既成の白醤油では味がはっきりしないので、弊社が醤油メーカー様に特別注文し、出来上がったものが「高橋製菓専用醤油」です。かたちや色に凝ったものはその醤油が使われています。

ネタが違う

あられに練り込まれるネタにもこだわっています。国産の青海苔・アオサ、丹波の黒豆と羅臼昆布など選りすぐりの原料を使用しています。

天然着色

弊社では合成着色料は一切使用せず、パプリカ・紅麹・クチナシ・ベニバナ・カカオなど値は張るが、安心安全な天然の着色料だけを使用しています。もちろん、お好みあられ、吹き寄せなどに使う仕入れ原料も同様に合成着色料は使用していません。

かたちのこだわり

ツートーンカラーのあられ

背中だけが緑色のふぐ、傘の部分だけが茶色の松茸、上下色が違う栗など。 単色の餅生地を作る時間の3倍~5倍の手間と時間をかけて作る製法。

葉脈・亀甲

もち生地に深さ1mm以下の溝を付けることによってできる模様。生地の段階ではよく見えないが、焼くことで鮮明に浮かび上がる。職人の目と感覚によって生まれる技術。

こだわりQ&A

Q:あられやおかきを作られる際には何を一番重視しておられますか?

A:当たり前のことですが、原料の「質」です。
新作のあられやおかきを作る際には、まず業者にサンプルを持ってきてもらうので すが、何種類か持ってきてもらった中で、味・健康面・安全性・耐久性等から吟味 して出来るだけ質の良いものを選びます。もちろん最終的に選ぶ原料はかなり値が張るものになってしまいます。 しかし、当たり前のことですが、原料で納得できるものを使わないと美味しいもの は出来ないし、食べていただく方に満足もしていただけない。このポリシーは社長 が創業当初から頑固に守ってきたものなのでわたしも絶対に曲げてはいけないもの と思っています。

Q:品質の管理についてはどうですか?

A:原料の中で最も大事なモチ米は、入荷直後から19℃に保った室内に保管するように しています。実際は15℃程度がモチ米の品質保持には適しているのですが、ケース 詰め作業もこの室内で行っていますので、19℃にしています。
また、出来上がった商品についても、19℃以下の状態に保っています。サラダ油・ マヨネーズを使用した商品の劣化を考えますと、このくらいの温度にしなければな りません。結果、夏場は24時間エアコンをかけていなければならないので、光熱費 がたいへんではありますが(笑)

Q:商品の管理についてはどうですか?

A:在庫を最小限にとどめるように気をつけていますね。というのも、できるだけ、 焼きたての商品を味わっていただきたいからです。在庫をたくさん持てば、急な注 文にも対応できるというメリットがあるのですが、在庫をすればするほど、お客様 の口には古いものが入ってしまう、ということになってしまいますので。 これも創業当初からのこだわりです。

Q:商品作りで苦労する点はなんですか?

A:弊社のあられ・おかきの大きな特徴は、「創作あられ」と呼ばれる独自性のあるも のです。たとえば、葉脈の入った木の葉。モチ生地を抜き型に通せば木の葉の形に 切り抜かれます。しかし、葉脈がしっかりと入ってなければ商品にはなりません。 この葉脈は厚さ2~3mmのモチ生地の裏表に凹型の溝を入れて作るのですが、葉脈を 強く入れすぎると割れる、弱いと入らない。本当にコンマ何ミリの調整です。何度 か100kg単位のモチ生地を全部ダメにしました。モチの状態によって変わるんで、 マニュアルとおりにはいきませんから。そのくらい気を使うものなんです。

Q:栗や木の子など、ツートーンカラーの創作あられがありますが。

A:はい。ツートーンカラーのあられも弊社の創作あられの特徴です。
たとえば、底の部分だけ褐色の栗。傘だけ色付けした木の子。詳しい作り方は内緒 です(笑)まあでも同業者が見たら作り方はだいたい想像できるでしょう。想像で きるけれどそんな手間の掛かる作業を実際に継続するかしないかなんです。やって いくうちに微調整もできるようになります。色の境界をあと3mm下に下げようとか。 見た目が美しくなるように気を使う商品ですね。

Q:ふぐ焼のキャッチコピーは「背中の部分が緑で、お腹が白くふっくらした
ユーモラ スなふぐの姿」ということですが、1個のあられの一部分、お腹だけふっくらさせるとは?

A:生地に入れるスジ(ヒビ割れ)によってこのように、一部だけ膨らませたあられが 焼き上がります。スジを入れた部分は焼くと引き締まり、スジを入れていない部分 は膨らみます。ふぐ焼の場合、ふぐの背中にだけスジを入れているのでこのような 姿になります。この原理とツートーンカラーの技術とを組み合わせで、「背中の部 分が緑で、お腹が白くふっくらしたユーモラスなふぐの姿」を再現しているので す。最終の味付けには醤油・ふぐのエキスを使用しています。

Q:なるほど。あられに入ったスジがそんなに大事な役割をしているとは思いませんでした。

A:スジの役割は2つあります。
一つはふぐ焼のように焼き上がりの膨らみを抑える役割と、もう一つは木の葉の葉 脈のように模様を作る役割です。弊社に万年亀という商品があります。文字通り亀 の形のあられですが、表は亀甲模様で裏が亀のお腹の模様をしています。わたしは 小さい頃からこの万年亀の出来上がったものを何気なしに見ていましたが、大人に なって工場に入り、製造に関わってみると、この万年亀を作る大変さがよくわかり ました。ある日、亀甲・お腹の模様のスジがしっかり入っていることをチェックし て型抜きし、いざ乾燥って・・もう一度生地を見ると・・入ってたはずのスジが消 えかけてるんです。ちょっとしたパニックでした。「さっき入ってたやん!」って (笑)モチの生地が柔らかいと戻ってくっつくんですよ。傷口をふさぐみたいに。

また、醤油掛けの時も大変です。亀の模様の溝に醤油が入り込むようにエアーガン で時間をかけて噴射します。短時間で醤油掛けすると溝に醤油が掛からないばかり か、表面に醤油ムラができて商品になりません。いつもと同じ状態の商品になって 当たり前。ですけど、当たり前にするまでにはなかなか手間の掛かる万年亀です。